NCDの参加について
詳細につきましては、下記ならびにNCDホームページをご覧ください。
患者様へ
初代代表理事里見 進先生、2代目國土 典宏代表理事の後任として2014年10月に代表理事に就任しました。よろしくお願い申し上げます。
わが国における外科系医療の現状を把握するため、日本外科学会を基盤とする外科系諸学会が協力して『一般社団法人National Clinical Database』(以下、NCD)を立ち上げて早5年が過ぎました。専門医制度と連動した手術症例の入力は2011年に開始され、わが国で一般外科医が行っている手術の95%以上をカバーする年間120数万件が入力され、2014年3月末時点で400万件を越える手術情報が4105施設から集積されました。世界に類を見ない、素晴らしい巨大データベースが構築されたわけですが、その立ち上げにご尽力いただいたNCD関係者の皆様、忙しい日常診療の合間に入力の労をおとりいただいている現場のすべての外科医・関係者の皆様に改めて厚く御礼申し上げます。
この巨大なNCDデータベースは、今後専門医申請のための症例実績を証明するインフラとして活用されるだけでなく、手術成績からみた医療評価も可能になります。先行する心臓血管外科領域、消化器外科領域においては、すでに主な術式についてのデータ解析結果が論文発表され、わが国の外科技術レベルの高さを世界に示そうとしています。また、巨大データに基づいた手術リスク評価も可能になり、Web上で患者情報と術式を入力するだけで手術リスクが瞬時に表示されるシステム(Risk Calculator)も運用が始まっています。さらに、各施設の成績と全国平均との比較も可能であり、個々の施設での医療の改善に役立つ情報の提供が可能です。NCDには手術だけでなく、癌登録データとしての機能も付加されおり、乳癌、膵癌、肝癌の全国データが集積されようとしています。この他、診療報酬改定への発信を含め、国民に最善の医療を提供するための政策提言に大いに役立つものと期待されています。
2014年度から日本脳神経外科学会が、2015年度から日本病理学会が基盤学会としてNCDに加盟しました。わが国で行われているほとんどの脳神経外科手術データもNCDに集積され、医療の向上に役立つことが期待されます。これから益々発展し社会に貢献しようとしているNCDに皆様のご理解とご支援を頂けましたら幸いです。
一般社団法人 National Clinical Database 代表理事